【蜆】春は肝臓を養う「養陰補肝」でやる気を出す

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春とはいうものの、まだ寒しじみがおいしい季節。しじみが肝臓に良いというのは栄養学的に裏付けられた常識だが、中国でも古くから肝に良い素材とされてきた。それもとりわけ、春に食べると体に効くと言われる。こういう発想は漢方独特のもの。日本の食生活では、季節感や旬、栄養、行事食ということ以外の目的で、季節を意識して素材を選ぶということはないのではないだろうか。中国の食生活には、この季節にはこの臓器を養う素材を食べた方が良い、という薬膳の習慣がしみ込んでいる。

これは5000年の歴史が育んだ自然観「陰陽五行説」が、漢方理論に根づいているためである。すべての物はつながりがあり、人間の体も自然の中の一つ、という考えによるものだ。万物が蘇生する春には、体も活発な新陳代謝を始める。肝は血液貯蔵と血量調節をするとともに、血気を生み出す臓器。そのため、春は肝の働きが他の季節以上に必要となり、肝が疲れやすくなる。それを補うために、肝を養う効果が高い食品を心がけて取ろうというわけだ。

「陰陽」で分けると、肝は陰の臓器なので、陰を養う食品がすなわち肝を養うことにつながる。だから、春の薬膳のポイントは「養陰補肝」。肝を養う食材はしじみのほかに、アスパラガス、春菊、レバー、あさり、胡麻、はちみつ、菜の花などがある。漢方では、枸杞子(くこし)、五味子(ごみし)、なつめなど。

肝は別名「怒りの臓器」ともいわれ、疲れると熱がこもり、人はイライラして怒りっぽくなる。そのいっぽう、人のやる気を司っているので、肝をよく養えば、仕事もプライベートも元気でいられる。「肝心かなめ」とは良く言ったもの。肝臓を大事にして、心身健やかに過ごしたい。

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しじみ豆腐の作り方

■材料
しじみ 200g、油 大さじ1、ニンニク 1片、醤油 大さじ2、紹興酒 大さじ1、だし汁(水でも可) 50cc、豆腐 半丁、万能ねぎ 適量

■作り方
1. じみは洗って砂をよくはかせておく。ニンニクはスライス、豆腐は適当な大きさに切る。
2. ニンニクを中火で炒めて香りを出す。
3. 2の鍋にしじみを入れて軽く炒めてから、醤油、紹興酒、だし汁を入れる。
4. 豆腐を加えたら蓋をして3分蒸し煮する。
5. 器に盛り付け、煮汁を上からかけ、万能ねぎをふる。

■蜆(しじみ)
五性…平および涼
五味…塩
血液の循環、肝機能を高める
解熱、利尿、喉の渇きを止める

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