【生姜】体を温め、風邪や食欲不振に効果的。冷え性の方にもおすすめ

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しょうがはショウガ科の多年草。食用として根茎が使われ、食卓に不可欠です。漢方薬でも広く用いられ、『本草綱目《ほんぞうこうもく》』には、しょうがの性は温(五性の一つ)、味は辛(五味の一つ)、肺、胃、脾の経絡《ひのけいらく(気の通る道)》と関係することが記載されています。

しょうがの温性の効果は、体を温め、外から体内に侵入してきたウイルスなどを追い出します。その辛みは、風邪の初期に、頭痛、肩こり、鼻水、悪寒を感じるときに詰まった経絡やツボを発散、発汗させることによって、気や血液の流れをよくし、風邪を治します。あるいは、胃腸のぜん動が鈍い、消化不良、二日酔い、妊婦のつわりなどの症状を抑えます。

また、せきや気管支炎に使う「半夏《はんげ》」という劇薬を持つ生薬が、しょうがといっしょに水煮加工すると毒が消えることから、解毒作用があることがわかります。

なお、しょうがの身体によい成分は皮に多く含まれているので、皮をむかずに調理することをおすすめします。

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しょうがと卵の黒酢炒めの作り方

■材料
しょうが(皮付き) 20g、卵 4~5個、黒酢 120ml、うまみ調理料 適量、しょうゆ 小さじ4、砂糖 大さじ2、サラダ油 大さじ2~3

■作り方
1. ボウルに黒酢、しょうゆ、砂糖、うまみ調味料を混ぜ合わせ、みじん切りにしたしょうがを加える。
2. 中華鍋にサラダ油を強火で熱し、煙が出たら卵を割り入れ、約40秒間かき混ぜながらいためる。
3. 卵に火が通ったら、1を加え、さらに約1分いためる。

■冷え性
寒がりでいつも手足が冷たく感じる、冬はふとんに入っても一晩中手足が温かくならないなど、年齢を問わず冷え性でお悩みの女性は多いようです。中国医学では、冷え性の原因を貧血と血行不良の2つに分けています。

貧血の人は顔色が悪く、朝なかなか起きられません。また、めまい、けん怠感、胃腸の疲れなどの自覚症状があります。消化吸収機能低下による血虚症と考えられます。

血行不良による冷え性の人は、肩こりや手足のしびれ、関節痛、生理痛、ひざより下の足先の冷えがあります。血行が悪くて心臓より遠いところに血液の流れが行きにくいのです。

どちらの場合も食事で症状を改善できます。貧血の人はまず胃腸の調子を調えるきのこ類、レバー、ほうれんそう、鶏肉など、血行不良の人は、にんにく、たまねぎ、酢、豆類など血液をサラサラにする食材を食べるとよいでしょう。

【西瓜】利尿、解熱、解毒 赤味より白身に効能あり

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せみの声が聞こえるようになると、西瓜の季節になります。中国の田舎の農家に西瓜を買いに行ったことがあります。自慢の西瓜の種子を取るため、いつも食べ放題にしてくれます。ただし、食べ残した種子を大切に集め、農家に渡さなければいけません。いつも、のどのところまで詰め込むくらいに食べて、苦しかった思い出があります。しかし、西瓜は食べすぎても腹を壊さないのです。

漢方薬の中に「知母(ちも)、石膏(せっこう)、甘草(かんぞう)、米」で処方された有名な「白虎湯」という薬があります。夏に体内に熱がたまっておこる風熱(ふうねつ・寒気がせず、体感温度が熱い風邪)によく用いられます。西瓜の性は寒(五性の一つ)、味は甘(五味の一つ)、天然の「白虎湯」と呼ばれ、利尿、解熱、解毒の効能があり、肝疾患、おうだん、むくみ、便秘、二日酔いの症状におすすめです。皮と果肉の間の白い部分はその作用が強いので、残さず食べるとよいでしょう。

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西瓜の皮と枝豆の炒め物の作り方

■材料
西瓜の白身 300g、枝豆(豆のみ) 100g、豚肉の赤身 100g、ピーマン 1個、細ねぎ 2本、紹興酒または酒 大さじ2、オイスターソース 大さじ1、塩 大さじ2と1/3、食物油 大さじ2

■作り方
1. 西瓜の皮の緑の部分を、皮むき器または包丁で薄くそぎとり、せん切りにし、塩大さじ1で軽くもみ、約5分おく。サッと洗って、水気を絞る。ピーマンはせん切り、ねぎは5cmの長さに切る。
2. 豚肉はせん切りにし、紹興酒を加えてよくなじませる。鍋にサラダ油大さじ2を熱して豚肉を入れて炒め、1分間ほどして豚肉が白くなったら取り出す。
3. 同じ鍋にサラダ油大さじ1と1/3を足して熱し、枝豆、ピーマン、細ねぎを加えて炒め、1.と2.を加え、オイスターソースで味を調える。

■西瓜
利尿、解熱、解毒作用があり、肝臓やむくみ、便秘、二日酔い、夏バテなどに効く。特に白身は効果が高い。

【茸】胃を養って胸焼けや胃弱を改善

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きのこは体に良いとわかっっていても、西洋の顔立ちを持つマッシュルームは洋風料理にしか使わない方が多い。しかし、旨味成分のグルタミン酸が豊富なうえに、香りにくせがないので料理の脇役だけでなく主役もこなしてしまう、あなどれない薬膳素材だ。

また、最近注目されているのがマッシュルーム抽出成分の持つ消臭効果。腸内腐敗産物の抑制により、体臭、口臭、便臭を抑えるだけでなく、血液浄化、免疫力増強や慢性腎不全進行抑制などの働きが科学的に明らかになった。

その他、コレステロールを下げることによる動脈硬化予防や血圧降下、肥満防止などさまざまな恩恵があるが、特筆すべきは胃を養うこと。

膨満感や胃弱だけでなく、暴飲暴食で胃に熱がたまった時など、低カロリーでありながら味覚的に満足感が得られるマッシュルーム料理をぜひ会得してもらいたい。

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マッシュルームのワンタンの作り方

■材料
マッシュルーム 6~7個、小松菜 3分の1束、塩 適量、ザーサイ 30g、豚赤身挽き肉 100g、紹興酒 20cc、胡椒 適量
ゴマ油 小さじ2、ワンタンの皮 30枚ほど、チキンスープ 500cc

■作り方
1. マッシュルームとザーサイはみじん切り。小松菜もみじん切りにして塩でもみ、10分ほどしてから水分を強くしぼる。
2. 豚肉に紹興酒とゴマ油を加え、粘りが出るまでよく練る。
3. 2の豚肉に1の材料を加えて混ぜ合わせる。
4. ワンタンの皮に包む。※ザーサイの種類によって塩分が異なるので、最初にできたワンタンをゆでて味見をし、味の調節をしてから残りを包むようにする。
5. 好みの味をつけたチキンスープで茹で上げて仕上げる。

■マッシュルーム
マッシュルームは胃を養うほか、ダイエット、動脈硬化予防、血圧降下、便秘に効果があります。かさと石づきの間がピッタリと閉じたものを選びましょう。

【金針菜】神経の緊張をほぐし、安眠を誘う

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ユリ科の花のつぼみを乾燥させたもので、中国では古くから薬膳だけでなく料理一般に使われています。いろいろと思い悩む事を忘れる草という意味で、別名「忘憂草」と呼ばれています。更年期特有のうつ状態やイライラ、眠りが浅い、微熱など、病気とはいえないけれどスッキリしない時には、ぜひこれを食べて悩み事を忘れていただきたいものです。

お湯で戻してつぼみの付け根の硬い部分を切り取り、和え物や佃煮、炒め物やスープに加えるなど、どんな料理にも幅広く使えます。中国では山菜感覚でたくさん食べる生薬です。漢方薬専門店などで手に入ります。

効能は、つぼみの中にたっぷり包み込まれたミネラル豊富な花粉は、貧血の特効薬。また、鉄分、カルシウム、ビタミンB郡も豊富に含まれています。育児中のお母さんなら母乳の出が悪い時に意識的にとると良いでしょう。

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金針菜と木クラゲの酸っぱいスープの作り方

■材料
豚のひき肉 100~150g、万能ねぎ 3本、乾燥木クラゲ 10~15g、乾燥金針菜 30g、卵 1個、紹興酒又は料理酒 20cc、塩 小さじ1、ほんだし 大さじ1、黒酘 30cc、醤油 20cc、サラダ油 30cc、ゴマ油 大さじ1

■作り方
1. 万能ねぎはみじん切り。乾燥木クラゲ・乾燥金針菜は熱湯に漬け戻し10分後良く洗う。
2. 豚ひき肉、万能ねぎ、料理酒、塩を器に入れ、よく混ぜてから10分間おく。
3. 鍋にサラダ油を注ぎ、強火で 2 を炒め、約1分間後豚ひき肉が白くなったら木クラゲ・金針菜を加えさらに1分間炒める。
4. 熱湯約800ccを注ぎ、沸いてから中火で3分間煮る。
5. 黒酢、醤油で味を調える。
6. 卵を加え混ぜながら上にゴマ油を散らす。

■献立アドバイス
醤油は好みの量で調整し、辛味が好きな方は豆板醤を適量加える。

【冬瓜】健康に痩せたい方に、おすすめ食材

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冬瓜の性は涼 味は甘利尿、解熱、解毒効果があり、中国に古くからある薬物書「本草網目」には、「欲想痩・則多食、欲想肥・不得食」と書かれています。つまり、「健康に痩せたい人は、常に多食した方が良く、太りたい人は、控えた方が良い」という意味です。胃腸に熱が溜まりやすい、二日酔い、痔病、肥満、糖尿、高血圧、口臭、口内炎の方には、特におすすめの食材です。吹き出物・あせも・湿疹には、冬瓜の皮を直接患部に貼って治すという民間療法があります。

私がまだ若かった頃、田舎に住んでた夏の暑い日、蒸し暑い夜に、大きな冬瓜を丸ごと抱えて暑さを和らげた事があります。ひんやりと体に伝わる冬瓜の冷たさが、ここちよく、眠ったという記憶があります。

食べて良し、抱えて良し、冬瓜の隠れた効果が、今でも忘れられません。大きな冬瓜を丸ごと抱えて眠ることが無理であれば、ぜひ、この夏「冬瓜」を毎日食卓に登場させてみてはいかがでしょうか。

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冬瓜とスペアリブのスープ(冬瓜軟骨湯)の作り方

■材料
冬瓜 500g、スペアリブ 500g、干し貝柱 3個、トマト 3個、はすの実 30g、酒 大さじ2、塩 小さじ1/2、砂糖 小さじ1

■作り方
1. 冬瓜は皮をむき、種を除いて乱切りにする。皮はまとめて糸で縛っておく。
2. スペアリブは4~5cmの長さに切り、熱湯をかけて洗い、水気をきっておく。
3. 干し貝柱は水に約30分つけてもどし、1.5cm角くらいに切る。
4. トマトは二つに切ってへたをとる。
5. 鍋に2と水約3lを入れて強火にかけ、沸騰したらアクをていねいにとり除き、冬瓜の果肉と皮、干し貝柱、はすの実、酒を加え、再び沸騰したら中火にし、約30~40分煮る。
6. トマトを加え、さらに20分煮る。
7. 冬瓜の皮を引き上げ。塩、砂糖で調味する。

■献立アドバイス
うす味のさっぱりとしたスープなので、ご飯よりも包子(中国風蒸しパン)が合うでしょう。冷たい野菜料理があると、バランスがよくなります。季節野菜の「ゆで枝豆ときゅうりの即席漬け」などがおく合います。

■はすの実
日本ではあまり一般的ではないが、中国では薬効の多い食材としてよく使われる。老化による体力減退、浅い眠り、慢性の下痢などに効くとされる。

【蜆】春は肝臓を養う「養陰補肝」でやる気を出す

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春とはいうものの、まだ寒しじみがおいしい季節。しじみが肝臓に良いというのは栄養学的に裏付けられた常識だが、中国でも古くから肝に良い素材とされてきた。それもとりわけ、春に食べると体に効くと言われる。こういう発想は漢方独特のもの。日本の食生活では、季節感や旬、栄養、行事食ということ以外の目的で、季節を意識して素材を選ぶということはないのではないだろうか。中国の食生活には、この季節にはこの臓器を養う素材を食べた方が良い、という薬膳の習慣がしみ込んでいる。

これは5000年の歴史が育んだ自然観「陰陽五行説」が、漢方理論に根づいているためである。すべての物はつながりがあり、人間の体も自然の中の一つ、という考えによるものだ。万物が蘇生する春には、体も活発な新陳代謝を始める。肝は血液貯蔵と血量調節をするとともに、血気を生み出す臓器。そのため、春は肝の働きが他の季節以上に必要となり、肝が疲れやすくなる。それを補うために、肝を養う効果が高い食品を心がけて取ろうというわけだ。

「陰陽」で分けると、肝は陰の臓器なので、陰を養う食品がすなわち肝を養うことにつながる。だから、春の薬膳のポイントは「養陰補肝」。肝を養う食材はしじみのほかに、アスパラガス、春菊、レバー、あさり、胡麻、はちみつ、菜の花などがある。漢方では、枸杞子(くこし)、五味子(ごみし)、なつめなど。

肝は別名「怒りの臓器」ともいわれ、疲れると熱がこもり、人はイライラして怒りっぽくなる。そのいっぽう、人のやる気を司っているので、肝をよく養えば、仕事もプライベートも元気でいられる。「肝心かなめ」とは良く言ったもの。肝臓を大事にして、心身健やかに過ごしたい。

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しじみ豆腐の作り方

■材料
しじみ 200g、油 大さじ1、ニンニク 1片、醤油 大さじ2、紹興酒 大さじ1、だし汁(水でも可) 50cc、豆腐 半丁、万能ねぎ 適量

■作り方
1. じみは洗って砂をよくはかせておく。ニンニクはスライス、豆腐は適当な大きさに切る。
2. ニンニクを中火で炒めて香りを出す。
3. 2の鍋にしじみを入れて軽く炒めてから、醤油、紹興酒、だし汁を入れる。
4. 豆腐を加えたら蓋をして3分蒸し煮する。
5. 器に盛り付け、煮汁を上からかけ、万能ねぎをふる。

■蜆(しじみ)
五性…平および涼
五味…塩
血液の循環、肝機能を高める
解熱、利尿、喉の渇きを止める